ジパングコイン(ZPG)とは?日本企業が発行するゴールドトークン

ジパングコイン(ZPG)は、日本の三井物産グループが手がける、金(ゴールド)価格に連動した暗号資産です。価格が安定しやすく、デジタルで保有・送金できる利便性を持つことから、新たなゴールド投資の手段として注目を集めています。

一方で、ZPGはゴールドそのものではなく、トークン特有のリスクや課税ルールも存在します。本記事では、ZPGの仕組みや購入先、運用上の注意点、他のゴールド連動トークンとの比較をわかりやすく解説します。

この記事の内容
  1. ジパングコインの概要
  2. ジパングコインのリスク
  3. ジパングコインの税金
レスキューふくろう

ゴールドは昔から安全資産として政治や経済が不安定な時に購入されてきた。今は暗号資産銘柄でゴールド価格に連動しているものがあるんだ。

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目次

ジパングコイン(ZPG)とは?

ジパングコイン(ZPG:ZiPanGcoin)は、金(ゴールド)価格に連動するように設計された日本発の暗号資産です。三井物産グループの関連企業の三井物産デジタルコモディティーズ株式会社によって、2022年に発行が開始されました。

1 ZPGの価値は、ゴールド現物1グラムと同等です。また、発行上限は390億円分を予定していますが、将来的に増加する場合もあります。

参照:ZPG ホワイトペーパー(三井物産デジタルコモディティーズ)

ZPGの仕組み

ZPG価値は、ロンドン金市場などで決まる国際的なゴールド価格をもとに、日本円建てで決定されます。ZPGはERC-20というトークン規格に準拠しており、Ethereum(イーサリアム)上で発行・流通します。

現物の金との違い

項目ZPG現物の金
保有形態デジタル(ブロックチェーン上)実物(金地金、金貨など)
消費税かからない(暗号資産としての扱い)購入時に10%の消費税がかかる(日本国内)
管理方法ウォレット・取引所に保管自宅・金庫・銀行など
発行元三井物産デジタルコモディティーズ無(市場で流通)
市場暗号資産取引所コモディティ市場、店頭

ZPGはあくまでゴールド価格と連動するデジタルトークンであり、現物のゴールドと交換することはできません。

税制上の違いもあります。日本であれば金の購入時に消費税が発生します。しかし、ZPGのトレード時には消費税は発生しません。ただし、トレード利益は雑所得とみなされ、最大55%もの所得税が課される場合があります。

レスキューふくろう

後で紹介するZPG以外のゴールドトークンの中には、実物のゴールドと交換できるものもあるよ。

なぜ今ZPGが注目されているのか?

ZPGが今注目されている理由には、安全資産ゴールドへの再注目と管理の容易さが挙げられます。また、暗号資産自体が伝統的な金融(TradiFi)に組み込まれつつあるという背景にも注目です。

ゴールド投資の加速

世界経済が不安定化する中で、ゴールドは「有事の資産」として再び脚光を浴びています。

  • 世界的なインフレ圧力(食品・エネルギー価格の上昇)
  • 地政学リスク(戦争・政情不安)
  • 通貨の信認不安(ドル・円・ユーロの価値下落懸念)

こうした情勢の中、金と連動するZPGはデジタル資産でありながらインフレヘッジ手段として、存在感を増しているのです。

管理が容易

実物資産である金は、保管や管理に手間がかかります。しかしZPGは、そうした煩雑な手間はかかりません。ZPGはインターネット環境さえあれば、スマートフォンやPC上のウォレットで簡単に保有・送金できるのです。

暗号資産の存在感アップ

暗号資産自体の存在感が高まっているという背景もあります。ビットコインETFの承認や、機関投資家による参入など、暗号資産が正当な金融資産として扱われ始めています。また、メルカリアプリなどでも、暗号資産を気軽に保有できる機能が提供されています。

ジパングコインに潜む主なリスク

ZPGは日本の暗号資産取引所で容易に入手できますが、いくつかのリスクもあります。ここではZPGに潜むリスクを5つにまとめて解説します。

制度変更リスク

今後の法制度の変更によって、ZPGの法的な位置づけが変わる可能性があります。例えば、2023年6月に施行された改正資金決済法では、ステーブルコインの発行・流通に関する規制が強化されました。ZPGがこれらの新たな規制の対象となる場合、発行元や取引所は追加の対応を求められる可能性があります。また、税制の変更により、ZPGの取引に対する課税方法が変わることも考えられます。

これらの制度変更は、ZPGの流動性や価格に影響を及ぼす可能性があるため、投資家は政府の動向を注視する必要があります。

取引所リスク

ZPGの取引は、主に国内の暗号資産取引所を通じて行われます。これらの取引所自体のリスクも考慮する必要があります。

例えば、取引所のシステム障害やハッキング、運営上の問題などにより、取引の停止や出金の遅延が発生する可能性があります。また、取引所が倒産した場合、預けていた資産の返還が困難となる場合もあります。

ZPGを保有する際は、取引所の信頼性やセキュリティ体制を十分に確認し、必要に応じて自己管理型ウォレットの利用を検討することが重要です。

発行元の倒産リスク

ZPGの発行元である三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が倒産した場合、ZPGの価値や流通に影響を及ぼす可能性があります。ホワイトペーパーによれば、発行元が破綻した場合、価値移転ネットワークを維持するための措置が講じられるとされていますが、実際の対応には時間を要する可能性もあります。

また、発行元の信用力がZPGの信頼性に直結しているため、企業の財務状況や経営方針の変化は、投資家にとって重要です。発行元の経営状況や業界動向を定期的にチェックし、リスク管理を行うことが求められます。

レスキューふくろう

発行元は三井系だから大丈夫だとは思うけど、「絶対」はないからね。

管理リスク

ZPGを自身のウォレットで管理する際には、秘密鍵やシードフレーズの紛失・漏洩によって、資産を失うリスクがあります。ノンカストディアル型ウォレットの操作は全て自己責任です。送金ミスをしたからといって、訴える相手がいないのです。

ウォレット管理は取引所リスクを回避する手段といえますが、初心者にとっては管理リスクが高くなる場合があります。

ノードリスク

ZPGは、ブロックチェーン技術を基盤とした暗号資産であり、その運用には複数のノードが関与しています。ホワイトペーパーによれば、ZPGの価値移転記録はブライベート型ブロックチェーンに記録されており、全体のノード数をnとした場合、(1/3×n+1)を超えるノードが攻撃等により支配された場合、データが改ざんされるリスクがあるとされています。

このようなノードの不正制御や障害は、ZPGの取引記録の信頼性やネットワークの安定性に影響を及ぼす可能性があります。

ZPGはどこで買える?対応する取引所一覧

取引所名取引方法取引所の簡単な解説
Zaif(ザイフ)現物取引ZPGを初めて取り扱った暗号資産取引所
DMM Bitcoin現物取引DMMグループ運営の信頼性の高い取引所
SBI VCトレード(予定)現物取引SBIグループ傘下
bitFlyer(ビットフライヤー)現物取引国内最大級の取引量を誇る取引所
BitTrade(旧Huobi Japan)現物取引海外大手CEXの日本法人
CoinTrade現物取引株式会社マーキュリーが運営する取引所

ZPGは、現在複数の国内暗号資産取引所で購入可能です。Zaifでは2022年から、DMM Bitcoin(2025年3月にSBI VCトレードへ資産譲渡)では2023年から取扱いが始まっており、どちらも日本円建てでの現物売買に対応しています。

その後、bitFlyerやBitTradeなども取扱いを開始しており、今後の更なる対応する取引所が増えると期待されています。

レスキューふくろう

実は取引所によって少し値段が変わることがあるんだ。
取引手数料も違うしね。買う前に比べてみよう!

ZPG以外のゴールド連動トークン

世界には、ZPGの他にもさまざまなゴールド連動型暗号資産が存在します。ここでは、世界的に知られているゴールド連動トークンを紹介します。

Paxos Gold(PAXG)

Paxos Gold(PAXG)は、米国のPaxos Trust Companyが発行する金連動型トークンで、1トークンが1トロイオンスのゴールドに裏付けられています。金はロンドンのLBMA認定の金庫に保管され、定期的な監査が行われています。PAXGはEthereum上で発行されており、さまざまな取引所で取引されています。また、Paxosはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制を受けており、信頼性も評価されています。

参照:https://www.paxos.com/pax-gold

Tether Gold(XAUT)

Tether Gold(XAUT)は、ステーブルコインUSDTで知られるTether社が発行する金連動型トークンです。1トークンが1トロイオンスの金に裏付けられ、ペックされる現物がスイスの金庫に保管されています。XAUTはEthereum上で発行され、DeFiプラットフォームとの統合も進んでいます。トークン保有者は現物ゴールドへの交換も可能です。

参照:https://gold.tether.to/

Kinesis Gold(KAU)

Kinesis Gold(KAU)は、1トークンが1グラムのゴールドに裏付けられたデジタル資産です。現物ゴールドは世界各地の保険付き金庫に保管され、定期的な監査が行われています。KAUは独自のKinesisエコシステムチェーン上で発行され、取引手数料の一部が保有者に分配される「イールドシステム」が導入されています。このため、KAUを保有するだけで報酬を得ることも可能です。

参照:https://kinesis.money/

ZPGの税金について

ZPGの取引や運用には税金が関わるため、適切な理解と対応が必要です。以下では、ZPGに関連する税金について、主に以下の3つの観点から解説します。

レスキューふくろう

税金は安くなってほしいね。

1. ZPGの売却益に対する課税

ZPGを売却して得た利益は、原則として「雑所得」として扱われます。年間の雑所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。

所得税は累進課税で、所得金額に応じて5%から45%の税率が適用され、さらに住民税(通常10%)も課されます。例えば、年収700万円の給与所得者がZPGの売却で70万円の利益を得た場合、合計所得は770万円となり、所得税率は23%が適用されます。

このように、ZPGの売却益は他の所得と合算されて課税されるため、事前に税額を試算し、納税資金を確保しておくことが重要です。なお、税務処理は複雑であり、正確な記録と適切な申告が求められます。税務上のリスクを回避するためにも、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

2. ZPGのレンディング収益に対する課税

ゴールドトークンはその性質上、運用利益があまり望めない銘柄です。しかし、ZPGは日本国内の取引所でレンディング(貸し出し)に使うことができます。

そして、レンディングして得た利息や報酬も、雑所得として課税対象となります。この場合も、他の所得と合算されて総合課税され、所得税と住民税が課されます。受け取った報酬の記録を正確に管理し、確定申告時にしっかりと申告しましょう。

3. ZPGのエアドロップやキャンペーン報酬に対する課税

エアドロップや取引所のキャンペーンなどでZPGを無償で受け取った場合、その受領時点の時価相当額が雑所得として課税対象となります。

受け取った額が少額でも、積み重なると大きな評価額になる可能性があります。わずかな受け取り枚数でも記録に残しておくことが大切です。

ZPGの展望

ZPG発行元である三井物産デジタルコモディティーズは、将来的に「円以外の交換対象拡充」や「金現物、他の暗号資産との交換」も検討しているとホワイトペーパーに記しています。ただし、現段階では取引ペアの拡充や海外取引所への上場計画はありません。

しかし今後、仮に交換対象や取扱先が拡大すれば、より柔軟な資産活用や流動性向上につながる可能性があります。たとえば、ZPGを米ドル建てやユーロ建てで交換できるようになれば、為替リスクを分散したい海外投資家にとって有力な選択肢となります。

一方で、実現にはクリアすべき課題も多くあります。各国での税制や金融ルール、AML/KYCへの対応などです。とくにゴールドと連動する資産であるがゆえに、証券性やデリバティブ性の議論が国際的に問われる可能性もあります。

ZPGを成長させていくには、まず国内市場での信頼性・実績を積み上げ、その後段階的に応用先を拡張していく戦略が現実的といえます。発行元の透明性・運営体制・保証スキームの堅牢さはすでに高く評価されており、それらをアピールした慎重かつ着実な展開が求められます。

まとめ

ZPGは日本企業が発行する金価格に連動した暗号資産です。デジタルならではの使いやすさと価格の安定性を兼ね備える一方で、制度変更や管理リスク、税務上の注意も必要です。正しく仕組みを理解し、他のゴールドトークンとの違いも踏まえたうえで、自分に合った運用法を検討することが大切です。ZPGは金投資の新たな選択肢として、今後さらに注目が高まっていく可能性があります。

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