仮想通貨の復旧は可能？ 具体的な方法や事前に注意しておきたい点を徹底解説

「仮想通貨を取り出せなくなってしまった」
「ウォレットにログインして仮想通貨を復旧させたい」
「配偶者や故人の仮想通貨は復旧できるの？」

と悩んでいませんか？

仮想通貨を保管するウォレットや取引所に長期間ログインしていない場合、ついパスワードや秘密鍵を忘れがちです。また故人が仮想通貨を保有していた場合など、第三者が仮想通貨を復旧する方法があるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では以下の内容について詳しく解説します。

この記事を読むことで、仮想通貨を取り出す方法がわかる可能性があります。

仮想通貨の復旧ができなくて苦しんでいる人は多い

取引所やウォレットにしばらくログインしていなかった場合、ビットコインを始めとした仮想通貨を取り出せなくなることも珍しくありません。

アメリカのブロックチェーン分析会社であるChainalysisは、2018年4月時点で2,100万ビットコインのうち、少なくとも230万〜370万ビットコインが紛失されていると発表しました。

2024年現在、ビットコインを紛失して困っている人は、さらに増加している可能性が高いです。仮想通貨を保有する人は、紛失のリスクがある点は理解しておく必要があります。

仮想通貨の復旧をするために試したい3つのこと

仮想通貨の復旧をするためには、以下の3つのことを試しましょう。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.ウォレットの種類を特定する

まずは仮想通貨のウォレットの種類を特定しましょう。パソコン上に仮想通貨を保管するデスクトップウォレットには、例えば以下のような種類があります。

ウォレットの種類	特徴
ビットコインコア	ビットコインの全取引履歴がダウンロードされている
ブロックチェーンドットコム	ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュに対応していて、世界一の利用者を誇る
マルチビット	2017年7月にサービスを終了
エレクトラム	ブロックチェーンをダウンロードしないため軽い

他にも、オンラインウォレットやモバイルウォレット、オフライン環境で利用できるハードウェアウォレットなど種類はさまざまです。

また、メタマスクのようにパソコンではデスクトップウォレット、スマホでは、モバイルウォレットとして使うことができるものもあります。

2.パスワードを推測する

仮想通貨の復旧にはパスワードが必要です。パスワードは、セキュリティを重視して無造作に決める場合と、ご自身や家族の生年月日や電話番号といった個人情報などを元に決定するケースがあるでしょう。

そのため、ご自身や家族の個人情報からパスワードを推測する方法は効果的です。特に亡くなったご家族が生前に仮想通貨を保有していてパスワードがわからない場合は、この方法で復旧できる可能性があります。

実際に海外では、USBのパスワードを書いた紙を紛失したため、230億円相当のビットコインを取り出せずに困っている人についてニュースで報道されました。

このケースでは、USBのパスワードを10回間違えると、保存内容が暗号化されて取り出せなくなるとのことで、すでに8回チャレンジしてもまだ復旧できていないようです。

このように回数制限のあるウォレットも存在するため、パスワードを推測して入力する場合は、何回まで間違えて良いのか事前に確認しておかなければなりません。

3.仮想通貨取引所を使っている場合はパスワードを再発行する

仮想通貨取引所のパスワードを忘れてしまった人もいるでしょう。その場合、各取引所の公式サイトから再発行ができます。

ログインをする際に「パスワードを忘れた場合」といった記載があるため、メールアドレスやSMS送信などの方法によりパスワードの再発行が可能です。

スムーズに送金するために、パスワードを忘れないようにメモしておきましょう。

仮想通貨のパスワードの復元方法

デスクトップウォレットに入った仮想通貨を取り出そうとしたところ、パスワードを忘れてしまう人もいます。

その場合、主に以下の復元方法があります。

それぞれ詳しく手順を見ていきましょう。

wallet.datからビットコインのパスワードを復元する

一つ目は、wallet.datからビットコインのパスワードを復元する方法です。この方法を使うためには、wallet.datファイルの場所を見つけなければなりません。具体的には以下の手順に沿って復元しましょう。

ビットコインのフォルダを開いたら、通常は以下のように表示されているので、この中からパスワードを見つけます。

C:\Documents and Settings\YourUserName\Application data\Bitcoin (Windows XP)
C:\Users\YourUserName\Appdata\Roaming\Bitcoin (Windows Vista, Windows 7, Windows 8/8.1 and Windows 10)

データ復旧ソフトでwallet.datファイルを復元する

wallet.datファイルを誤って削除や紛失をした場合は、データ復旧ソフトでwallet.datファイルを復元しましょう。

データ復旧ソフトには、EaseUS Data Recovery Wizard FreeやKEYCHAINXなどがあります。

例えば、EaseUS Data Recovery Wizard Freeを使う場合は、以下の手順で復旧します。

データ復旧ソフトは無料でパソコンにダウンロードできるので、試してみましょう。

仮想通貨を取り出せなくなる前に注意しておきたい点

ウォレットで仮想通貨を保管している場合は、取り出せなくなる前に以下の点に注意が必要です。

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

パソコンの故障に注意する

パソコンに仮想通貨を保管する場合は、故障に注意が必要です。パソコンが故障すると、仮想通貨を取り出せなくなるリスクがあります。

他にも、ウイルスへの感染が原因で仮想通貨をハッキングされることがあるので、こまめにバックアップを取っておきましょう。

できれば、オフラインで運用できるハードウェアウォレットへの保管をおすすめします。

仮想通貨の復旧ができないのに相続税がかかることもある

仮想通貨は法定通貨よりも歴史が浅いため、必ずしも法整備が進んでいるわけではありません。

身近な家族が亡くなったり認知症になったりした際に、パスワードや秘密鍵を知らないままでは仮想通貨の復旧が難しくなります。

相続税は、以下の基礎控除を超えた場合に課税される税金です。

3,000万円+法定相続人×600万円

法定相続人とは、配偶者と故人の子どもや親など血のつながりがある人を指します。例えば1億円分の仮想通貨を残したまま亡くなった人に配偶者と子どもが一人ずついる場合、5,800万円が課税対象となります。

1億円-（3,000万円+2人×600万円）=5,800万円

相続税の支払いにより多額の負担を強いられる可能性があるので注意しなければなりません。

さらに一般的な財産と異なり、パスワードや秘密鍵を知らないことを理由に相続税の放棄もできないので注意が必要です。

とはいえ、トラブルを避けるためにも、生前にパスワードを聞くか、わかる場所に保管しておくよう配偶者にお願いしておきましょう。

また、近年では仮想通貨の救出サービスを提供する会社もあります。例えば専門サービスであるクリプトレスキューセンターでは、取引所やウォレットへのログインができない場合でもサポートが可能です。

秘密鍵は忘れたりなくしたりしないように管理する

当然ではありますがウォレットや秘密鍵を紛失すると、仮想通貨もなくなります。

秘密鍵は、忘れたり紛失したりしないように、厳重に保管しておく必要があります。ハッキングの被害を避けるためにも、オンラインではなく紙などでメモをしておく、2箇所以上にメモするなどの方法で管理しましょう。

仮想通貨の復旧についてよくある質問と回答

仮想通貨の復旧についてよくある質問に回答します。仮想通貨の復旧ができなくて悩んでいる人は、参考にしてください。

仮想通貨を入れたUSBを破損させると復旧は困難ですか？

仮想通貨をUSBのようなハードウェアウォレットに入れて保管している場合、破損しても問題ありません。USBには仮想通貨ではなく秘密鍵が入っているため、復旧は可能です。

仮想通貨を復旧できない場合、専門家に相談すべきですか？

自力では仮想通貨の復旧が困難な場合、専門家に相談することをおすすめします。専門家に相談することで、トラブルなく迅速に仮想通貨を復旧できるかもしれません。

なお、自力で復旧させたい場合は、まず​​ハードドライブをスキャンし、ビットコインを探しましょう。ビットコインウォレットを復号化して、ウォレットを最新バージョンにアップデートします。それでもビットコインが表示されない場合は、ウォレットの運営会社へ問い合わせをしてください。

仮想通貨を復旧できない場合は、プロへ相談しよう

仮想通貨を復旧できない場合は、無理をせずにプロへ相談しましょう。自力で解決しようとしてもうまくいかなければ、時間を消費してしまいます。

クリプトレスキューセンターでは、長年仮想通貨業界に携わっているスタッフが、仮想通貨に関するお悩みを解決します。