2025年度版｜トランプ相場に勝つ！暗号資産取引での有効対策3選

トランプ氏の発言をきっかけに、ビットコイン（BTC）やイーサリアム（ETH）といった主要暗号資産の価格が乱高下するケースが2025年も続いています。

本記事では、こうしたトランプ氏の発言・姿勢が暗号資産市場に与える影響の大きさ、そして投資家が取るべき有効な対応策について解説します。

なぜトランプ発言で市場がこれほど動くのか？

トランプ氏の発言は暗号資産市場において、まさに「火種」といえます。トランプ氏の一言でBTCやETHが急落・急騰した事例が多くあるからです。なぜトランプ氏の発言がこれほどまでに市場を動かすのか、2つの視点から整理しておきましょう。

暗号資産市場は感情で動く

株式市場では企業業績や財務状況が株価の根拠になりますが、暗号資産には明確なファンダメンタルズが存在しません。代わりに、価格は「こうなるかもしれない」「危ないかもしれない」といった期待と不安で大きく動くのです。

トランプ発言の特徴

特徴	事例
断定的	「ビットコインは詐欺のように思える」「ドルと競合する別の通貨だから好きではない」
一貫性がない	2021年にはビットコインを「詐欺」と呼ぶ2025年にはBTCとETHを評価
拡散力が高い	SNSやメディアでの発言が即座に拡散
誇張的・挑発的	「ビットコインはアメリカの戦略的資産となる」「暗号資産で世界をリードする」

上記表は、トランプ氏の発言について特徴と事例をまとめたものです。前述したように、暗号資産市場は理屈ではなく、市場参加者の感情によって動く傾向があります。そして、断定的な言葉や極端な表現を多用するトランプ氏の発言は、暗号資産市場に響きやすいのです。発言内容の是非にかかわらず、発言者がトランプ氏であるというだけで、暗号資産市場は動いてしまいます。

トランプ相場における有効対策3選

トランプ氏の発言による暗号資産市場の乱高下には、一定のパターンとタイミングが存在します。トランプ氏の動向に応じて、事前・事中・事後のフェーズに分けて対策を立てることで、資産リスクを大幅に減らすことが可能です。

この章では、トランプ相場を乗り切るための有効な対策を3つ紹介します。

１．警戒すべき日時を把握

タイミング	例
政策演説・施政方針発表の前後	暗号資産に関する規制緩和・国家戦略化の表明
反トランプ勢力の発言	司法関係者、民主党、GAFAなどに対する圧力・脅し、報復を表明
国際的な対立激化	対中・対ロ・対イランなどの強硬姿勢を示す
SNS投稿が集中する時間帯（平日午前）	米国時間の朝〜昼は市場が動きやすいタイムラグのある日本では特に注意
トランプ関連のWeb3・NFTイベント	Web3系発表と連動して強気発言が出ることがある
米主要経済指標（CPI、FOMC）と重なる日	経済材料に対する評価
週末・祝日前後	プライベートでの感情的な発言

トランプ氏の発言は完全に予測することはできません。しかし、発言が出やすいタイミングはわかってきています。特に上記表のような時期・イベント前後は、要注意です。こうしたスケジュールは事前にわかるものも多く、あらかじめ警戒することでリスクヘッジがとれるようになります。

２．ポジション調整

• 一部の資金をあらかじめステーブルコインに移しておく
• 急変しやすいアルトコインの比率を減らす
• 長期保有と短期トレードの資産を別々のウォレットで管理する
• 自動売買や価格アラートを事前に設定しておく

警戒すべき日時が近づいていると感じたら、次は「発言があった時にどう動くか」を決めてポジションを調整しておくべきです。重要なのは、急に下がったらどうするかではなく、下がっても動揺しないような体制を整えておくことです。

もちろん、トランプ氏の発言で急激な上昇トレンドも起こる可能性もあります。その際はリスクオンの戦略を進めるとよいでしょう。

３．発言後の相場展開に応じて戦略を切り替える

トランプ氏の発言をきっかけに市場が反応したあと、重要となるのが「どのタイミングで通常モードに戻すか」という判断です。リスクオフの構えを続けるのか、それともリスクオンに転じて攻めるのか。相場の反応パターンを見ながら、自分の立ち位置を柔軟に変える必要があります。

戦略転換は、時間軸に沿って決定するのがよいでしょう。下記は反応フェーズと、それぞれの戦略判断例です。

①発言直後（1時間以内）

情報が出たばかりで方向感が定まらない。無理に動かず観察に徹する。

②数時間以内に方向が出る

急騰・急落など極端な動きが見られた場合、それが続くのか、反発するのかを見極める。

この時点では基本的にリスクオフを維持し、トレンドが出た場合のみ部分的にリスクオンに切り替える。

③翌日以降に値動きが落ち着く

過剰反応が修正され、レンジ相場または新たなトレンドに移行する兆候が出たら、通常モードに戻す判断。市場のセンチメントが安定したと判断できれば、再び通常の投資戦略に戻る。

トランプ氏の暗号資産への評価が変化

トランプ氏が2020年の大統領時代にBTCを「詐欺のようなもの」と断言していたことはよく知られています。しかし2024年の大統領選では、暗号資産を肯定する発言を繰り返し、自身のNFT販売や暗号資産による寄付を受け付けるなど、明らかなスタンスの変化が見られました。

この変化は単なる気まぐれではありません。そこには米国のWeb3における国家戦略が見え隠れしています。

なぜトランプ氏は暗号資産への態度を変えたのか？

暗号資産への評価の変化は政治戦略の変化と見るのが自然です。そこには、支持層の変化、時代の流れ、そして自身の利益といった背景があります。トランプ氏は暗号資産を「利用できる道具」として捉え直したのです。

①支持基盤の変化

かつての保守派は中央集権やドル制度を重視していましたが、近年は規制反対・自由経済推進といった考えから、暗号資産に肯定的になってきています。トランプ氏は暗号資産をしっかりと評価することで、支持者の変化に対応しようとしています。

②トランプ氏の思想・戦略への組み込み

暗号資産は中央管理に頼らないシステムのため、トランプ氏の「反ワシントン」「反エスタブリッシュメント」路線と親和性が高いといえます。つまり、暗号資産を支持することで、彼自身の政治的ポジションを強化する狙いもあるのです。

③資金調達手段として活用

トランプ氏はNFT販売によって数億円規模の資金を調達しました。この事例によって、トランプ氏は暗号資産に対する信頼性を向上させたといえます。現在では暗号資産による献金も受け付けています。さらに、オリジナルトークンの発行も行っています。暗号資産を活用したファンベースの構築やコンテンツ販売は、旧来の献金モデルを大きく変えていきます。

これからは暗号資産を戦略リソースとして認識か！？

トランプ氏はBTCを戦略資産として、国家レベルで備蓄する計画を持っています。仮に米国がBTC準備金制度を作れば他国も追随し、BTC価格はこれまで以上に引き上げられると予想されています。

トランプ氏がBTCの備蓄を本格的に進めようとしている理由として、中国やロシア、また反米諸国の動向が関係しています。

①中国のCBDC（デジタル人民元）への対抗

中国は国家主導でCBDCを推進し、すでに複数国との国際決済実験を進めています。これに対して米国は明確なCBDC対策を進めていません。そのため、民間主導の暗号資産を国家として容認・活用するという戦略が、中国への対抗策として有力視されているのです。

②制裁回避手段への備え

ロシアやイランなど、米国の制裁対象国では暗号資産が制裁回避手段として使われ始めています。こうした動きに応じるために、米国が影響力を持つ暗号資産圏を戦略的に育てることは、国際金融の主導権を握り続けるために有効です。

③米国主導のマイニング・インフラ強化

2024年以降、共和党寄りの一部州では、BTCマイニング企業の誘致や電力補助政策が相次いでいます。マイニングはBTCのエコシステム維持のため、国内での事業整備は重要な取り組みです。ネックとなるのが電気代ですが、資源国である米国は優位性が期待できます。

代表的なトランプ銘柄を紹介

銘柄名	通貨シンボル	関連性・由来
ビットコイン	BTC	トランプ氏が国家戦略備蓄を推進保有も？
イーサリアム	ETH	100万～500万ドル相当を保有トランプ氏のNFT収益分？
リップル	XRP	SECとの対立が緩和されるとの観測共和党政権下で上昇か？
ソラナ	SOL	現物ETFの有力候補？
TRUMPコイン	TRUMP	トランプ氏本人名義の公式ミームコイン
MAGAコイン	MAGA	「Make America Great Again」が由来トランプ支持者に人気

トランプ銘柄とは、トランプ氏本人や政権、政治的ムーブメントに直接または間接的に関連する暗号資産銘柄の総称です。大きく分けて以下の2種類があります。

直接系（本人名義・公式関連）

　例：TRUMPコイン、TrumpNFT

間接系（発言・政策・影響によるテーマ買い）

　例：BTC（国家備蓄方針）、関連NFT収益によるETH、XRP・SOL（SEC対立緩和観測による回復期待）

これらの銘柄は、トランプ氏の発言や政策によって短期的に大きな値動きをする場合があります。

BTCやETHは経済規模の大きい銘柄ですが、TRUMPコインやMAGAコインはいわゆるミームコインといわれるボラティリティリスクの高い銘柄になります。購入される際はリスクをしっかりと認識する必要があります。

今からトランプ銘柄を購入しても遅い？

この記事を読んで、トランプ銘柄に興味を持ったという方も多いのではないでしょうか？

大切なのは、話題性だけで判断せず、自分の投資戦略に照らして判断することです。暗号資産特有のリスク（価格変動、流動性、規制の不透明さ）を理解したうえで、「どの銘柄を、どのタイミングで、どれくらいの割合で組み込むか」を戦略的に決めていきましょう。しっかりと戦略を立てているのであれば、2025年の今からでも、トランプ銘柄への投資は遅いということはありません。

FOMOには要注意

トランプ氏の発言や政策を受けて、すでに主要銘柄、ミーム系銘柄は短期的に大きく値上がりしています。そこで、「早く買わなければ」と思う方もいるかもしれません。この心理は英語圏で「FOMO（Fear of Missing Out／取り残されることへの恐怖）」と表現されてトレーダーの間で知られています。

しかし、この心理状態には注意が必要です。有効な判断基準をもたない投資は損失リスクが高くなります。トランプ銘柄は、今後の発言や政策次第で第二波・第三波のテーマ相場が再燃する可能性もあります。中長期的な観点から落ち着いて銘柄を評価しましょう。

証券会社からでも投資可能

トランプ銘柄購入を決心しても、慣れない暗号資産取引所やウォレットを使う必要はありません。現在はBTCやETHなど主要銘柄がTradFi（従来金融）へ組み込まれるようになっています。現物ETFや投資信託などを通じて、間接的に暗号資産を購入できるのです。

また、暗号資産はブロックチェーンを用いて送金をします。慣れていない方は送金に失敗し、大切な資産を失う事態にもなりかねません。暗号資産送金は自己責任ですので、取引所が補償してくれないのです。その点、証券会社であれば送金リスクを回避できます。

まとめ

かつてBTCを「詐欺」と呼んだトランプ氏は、2025年、明確な暗号資産支持者として政権に返り咲きました。

NFT販売やBTCの国家備蓄構想、規制の見直し発言──。

これらは同氏の思いつきではなく、中長期的な国家戦略に基づいたものです。中国や中東などの反米国による暗号資産市場へのアプローチを砕く狙いも見て取れます。トランプ政権が続く限りは、暗号資産市場は堅調に推移するのではないでしょうか。

一方で、トランプ氏の発言は突発的に市場を混乱させることもあるので注意が必要です。本記事で解説した対策を参考に、早期のリスクヘッジが求められます。トランプ相場を避けるのではなく、利用することが大切です。

以上、トランプ相場における暗号資産取引での有効対策について解説させていただきました。急落、急騰、どちらにも対応できる備えをしておきましょう。