仮想通貨のセービングとは?使い方、APYとAPRの違いやロック期間を解説

「仮想通貨を預けることで大きなリターンが得られる」

こんな魅力的な宣伝を目にしたことはありませんか?それはセービングについての宣伝の可能性があります。セービングは一般的に海外取引所が提供するサービスということもあり、リスクもあります。しかし、その高い利率に多くのユーザーが惹きつけられているのも事実です。

本記事ではセービングの概要や使い方、トラブル要因や注意点について解説します。

この記事の内容
  1. セービングの概要
  2. セービングの使い方
  3. APYとAPRの違い
レスキューふくろう

高い利率のセービングは魅力的だけど、
注意点やリスクもしっかりと認識しておこう!

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目次

仮想通貨のセービングとは?

セービング(Saving)は、仮想通貨を取引所へ預けることで利息を得ることができるサービスです。銀行預金に類似していますが、預け入れる資産が仮想通貨銘柄ということで、価格変動リスクが大きいというリスクがあります。

セービングは誰でも使える?

取引所のアカウントを開設し、KYC(顧客確認)※1を完了させたユーザーであれば誰でもセービングを利用できます。一方で、国内取引所ではセービングが事実上認められていません※2。これは、金融商品取引法上のデリバティブ取引に該当する可能性があるためです。

また、海外取引所でセービングを利用する際も倒産リスクを認識する必要があります。海外取引所が倒産してしまった場合、補償を誰がどのように進めるかは明確ではありません。

※1 KYC(Know Your Customer)

※2 一部取引所では暗号資産等管理業務の一環として貸暗号資産サービスを提供しています。

レスキューふくろう

同じように高い利率が期待できるステーキングは、
国内取引所でも使えるよ。

APYとAPRの違いは?

APY(Annual Percentage Yield)とAPR(Annual Percentage Rate)は年利を意味します。しかし、APYが複利を考慮した年間利回りなのに対し、APRは単利ベースの年間利回りという違いがあります。つまり、APYは定期的に利息が再投資され、APRは再投資されません。

短期間の投資ならAPRを確認するだけで十分といえます。一方で、長期間の投資を考えている場合はAPYを確認することが重要です。複利を活用することで、実際にどれだけ利益が増えるかをイメージしやすくなります。

レスキューふくろう

難しいよね。
APYは複利効果があるよって覚えておけばOK!

セービングの使い方は?

本メディアでは、セービングを推奨することはいたしません。しかし、自身の資産を守るためにも、セービングの使い方について理解を深める必要があります。どのようなプロセスでセービングが行われるのか見てみましょう。

レスキューふくろう

やり方を知っておくことで、
知らずにセービングを利用するなんてことは防げるよ!

1.取引所のアカウント開設

KYCなどを経て、海外取引所のアカウントを開設します。海外取引所は金融庁監督下ではないため、倒産時の資産補償リスクがあります。マイナーな取引所の利用は避けましょう。

2.取引所へ入金

海外取引所への入金は、一般的に国内取引所から仮想通貨を用いて行われます。トラベルルールの導入によって、海外取引所への送金時に情報提供する必要があります。これは仮想通貨の犯罪利用を防ぐための処置です。

関連記事:トラベルルールとは?仮想通貨の送金規制に対応するためのユーザーガイド

3.セービングに使用する銘柄を購入

出典:Bitget

セービングに使用できる銘柄は取引所ごとに異なります。国内取引所から送金できるBTCやETHなどは、基本的にどの取引所でもセービング銘柄にラインアップされています。もし、マイナーな銘柄でセービングを行いたい場合は、トレードで入手する必要があります。

レスキューふくろう

すごい利率が表示されているけど、
入金限度額も設定されている可能性があるからね。

4.セービングを選択/実施

出典:Bitget

セービングの利率とロック期間を確認して申し込みを進めます。利率はAPYかAPRで表示されるので確認してください。ロック期間は資金引出制限の日数です。7であれば7日間の資金引出制限が課せられます。フレキシブルは、いつでも引き出し可能という意味です。

5.セービング利息受け取り

ロック期間が完了すると、利益確定期日後に元本と利息が口座に反映されます。セービングは何度も利用可能ですが、ロック期間を超えた預け入れはできません。利用する都度、申し込みをする必要があります。

レスキューふくろう

海外取引所の中には、自動で継続するような契約もあるよ。
英語での説明はわかりにくいかもね。

セービングで資金が引き出せない原因

セービングには資金引出制限というリスクがあります。当初から決まっていたルールであれば対応可能ですが、メンテナンスや運営の判断による制限がかけられる場合もあります。ここでは、セービングで資金が引き出せない原因と解決策を3つにまとめて解説します。

関連記事:仮想通貨(暗号資産)が出金制限?原因と解決方法をまとめて解説

ロック期間の設定

セービングではロック期間が設けられています。ロック期間は取引所ごと、商品ごと異なります。ロック期間をしっかりと認識して運用計画を立てることが大切です。

一般的にロック期間が長いほどAPYやAPRは高くなります。しかし、そのロック期間中に取引所が倒産してしまうことも考えられるので、リスクをしっかりと評価しましょう。

ロック期間中でも早期償還が行える取引所、または商品もあります。早期償還を行う際は利息が付かないことがあるので事前に確認してください。

レスキューふくろう

ロック期間が途中で変化する事はないと思うけど、
あったら取引所を疑った方が良いよ。

メンテナンスの発生

メンテナンスは、取引所のセキュリティを確保するために必要な取り組みです。定期的にメンテナンスが行われているのであれば、その期間を避けてセービングすることが推奨されます。

一方で、ハッキングやシステムエラーなどに対しては、迅速に対応する必要があるため、緊急メンテナンスが実施されることがあります。その際のメンテナンス期間は明確でないため、セービングなどでのサービスに支障をきたす可能性もあります。

定期的メンテナンスも緊急メンテナンスも運営の判断によって行われます。頻繁にメンテナンスを実施している取引所でのセービングは、ロック期間を短く設定するなどして対処します。

レスキューふくろう

海外取引所ではちょっとしたサービスアップデートでも、
メンテナンスが発生することがある。

セキュリティ上の理由

資金洗浄や不正送金などを防ぐために、取引所がセービング利用の条件にKYCを求める場合があります。また、セービング中にKYC条件が設定されてしまった際は、資金引出が制限されることがあります。

KYCを適切に実施して、セービングで使用している資金を引き出せるようにしましょう。一般的にKYCには、国が認めるID(パスポートや免許証など)が使用されます。

セービングの注意点

セービングの魅力は何といっても高い利率です。しかし、運用に使用されるのは価格変動が大きい仮想通貨です。数字だけに気を取られると、結果的に損をする可能性もあります。

レスキューふくろう

セービングの注意点、ここは大切だよ。

価格変動リスク

仮想通貨は1日で10%以上価格が変動することも珍しくありません。セービングのロック期間後に、銘柄価格が上昇していれば問題ありませんが、下がった場合は資産リスクが生じます。

比較的価格の変動が少ない銘柄でセービングを行うといった戦略が効果的です。例えば、米ドルに連動したUSDTは大きく価格は変動しません。他にも、法定通貨に連動した銘柄はステーブルコインと称され、市場が荒れた際の避難先銘柄としても活用されています。

ただし、ステーブルコインを日本円にする際は為替リスクが発生します。特にドル円の動きには注意が必要です。

税制面での対応

セービングで得た利益は雑所得として課税されます。Web3領域における税制は、まだ整備途中といえますが、得た利益を隠すことがないようにしましょう。

海外で得た収入も含め、すべての所得を日本の税務署に申告する義務があります。また、海外資産が5千万円以上に達した場合も、国外財産調書を税務署に提出しなければなりません。

税制面で対応を誤ると重加算税や遡及課税が課されるだけでなく、脱税などの罪に問われる可能性があるので注意してください。

レスキューふくろう

税制は難しいから、専門家のアドバイスを受けよう。

取引所の補償

国内の取引所であれば、顧客資産は銀行に信託保全されます。もし、取引所が破綻した場合でも、顧客の資産は保護されます。

しかし、海外取引所では顧客資産保護は明確ではありません。コールドウォレット保管、分散保管などのセキュリティを宣伝している海外取引所は多いですが、補償されるかは不透明といえます。

例えば、2022年に倒産した香港のAAXという取引所は、顧客資産を補償しませんでした。それどころか、運営責任者が顧客資産を持って逃亡するという事態にまで発展しています。海外取引所を使用するということは、リスクが伴うと認識する必要があります。

レスキューふくろう

運営責任者が顧客資産を持って逃亡することもあるなんて…。
やっぱり海外取引所のリスクはしっかりと認識しないとね。

セービングに似ているサービス

項目セービング(Saving)ステーキング(Staking)イールドファーミング(Yield Farming)レンディング(Lending)
仕組み預けて利息を得るPoSへの貢献流動性プールに参加トークンを貸し出して利益
リターン低い利息トークン新規発行取引手数料借り手からの利息収入
リスクCEX倒産リスク価格変動リスクインパーマネントロス※3借り手の返済リスクスマートコントラクトリスク
流動性一定期間ロック一定期間ロックいつでも解除可能借り手による
主な使用例長期運用Ethereum 2.0CardanoDEXの流動性プールNFT貸出

セービングと同じように、資産を預けることで利益がでるサービスとしてステーキング、イールドファーミング、レンディングなどがあります。何が違うのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

※3 インパーマネントロス(Impermanent loss)は流動性プールへの預け入れ資産の価格変動によって生じる損失です。

レスキューふくろう

この表は分かりやすいから、保存しておこう。
スクリーンショット、ブックマーク推奨!

ステーキング(Staking)

ステーキングでは、仮想通貨を一定量預けることによって「バリデーター(Validator)」としてネットワークに参加することになります。そして、ブロックの生成に対する報酬として仮想通貨を得ます。

セービングが預け入れ資産の運用でリターンを得るのに対し、ステーキングではネットワークへの貢献でリターンを得ます。

ステーキングへの参加は、ステーキングプールを提供するCEXやDEXを利用するのが一般的です。一方で、保有するウォレットから直にステーキングに参加することもできます。

セービングと異なり、ステーキングプールを用意している取引所は国内にもあります。利率はセービングよりも低いことが多いですが、それでも数%から10%程度です。

イールドファーミング(Yield Farming)

イールドファーミングは、仮想通貨をDeFi※4プロトコルに預ける(貸し出す)ことで報酬を得る方法です。預けた資産はプールされ、DeFiプロトコル内の取引や貸付の流動性をサポートします。

高いリターンが期待できる一方でリスクもあります。DeFiプラットフォームはスマートコントラクト※5によって運営されています。これにバグや脆弱性がある場合、預けた資産が失われる可能性があります。信頼性の高いプロジェクトを選ぶことが重要です。

※4 DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)

※5 スマートコントラクトはブロックチェーン上で動作する自動プログラムです。

レンディング(Lending)

レンディングは仮想通貨を他のユーザーに貸し出し、その見返りとして利息を得る仕組みです。CEXやDEXでサービスを利用することができます。レンディングは国内取引所でも提供しているところがあります。

銀行の融資と異なり、審査を必要としません。しかし、借り手は一定の担保(主に仮想通貨)を入れることで信用を得ます。

レンディングには仮想通貨銘柄だけでなく、NFTも貸し出すことが可能です。NFTはBCG※6などでも使用できるので、NFTを借りてP2Eをするといった戦略もとれます。

※6 BCG(Block Chain Game)はブロックチェーン技術を用いたゲームです。

まとめ

以上、セービングの概要や使い方、トラブル要因や注意点について解説させていただきました。

セービングは大きなリターンが期待できることから、注目が集まっています。一方で、海外取引所を利用するリスクも存在します。突然のメンテナンスやシステム異常によって、資産がうまく引き出せないことも考えられます。

クリプトレスキューセンターは、セービングに関する問題を解決します。セービングに関する問題がございましたら、ご一報ください。皆様の資産を安全に移動させるために最適なソリューションを提供させていただきます。

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